銀魂

□食
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あ、姉上ぇぇぇぇっっっ!!何やってるんですかっっっっ!!!
「あら、新ちゃん。お帰り♪予定より早かったわねぇ!今夕飯を作ってるからちょっと待っ「いやいやいやいや!姉上っ!僕がっ!僕がしますからぁぁぁっっ!!


戸を開けた瞬間、猛烈な異臭がして。新八は急いで台所へと走った。
そこには予想通りエプロン姿の妙がいた。
にこやかな笑顔で。それが地獄への案内人の笑顔だと腰がひけてしまうのは長年の習慣としか言い様がないだろう。


「あら、大丈夫よ。もうすぐ完成するから♪」
「げっ!さ、最悪…い、いや、えっと…そう、そうだった!!実はあまりお腹減ってな…「ん?何か言ったかしら。新ちゃん♪」
「な、なんでも…ないです……」


なんとか逃げようと試みたが毎度お馴染みのどす黒い有無を言わせぬ圧力を感じさせる笑みを見せられて。新八の口元は盛大に歪む。
自身に捧げられる読経が何処からともなく聞こえた気がした。


「そ…?良かった♪うふふ♪」
「あ、あははは…」


にこやかに笑う妙にひきつり笑いの新八
現状は異様な空気を醸し出していて。


「今日はいつもの卵焼きと…後、烏賊を煮てみたの♪」
「そ、そうなんですか…」
「えぇ。なんだか烏賊に糸がいっぱいついてたから少し驚いたけど……」
「……ぇ…?…ぃ…と……?」


何故だか新八は自身がどんどん泥沼に嵌っていくかのような錯覚を覚える。


「そう!白くてうねうねしてたけど……」
「あ、姉上っ!それってもしかしてっっ……!!」


そして、それは間違っていない気もしていた。
(もしかしなくても寄生虫っ…?!)
暑くもないのに背中や額に汗が幾筋も流れ落ちる。


「ふふ…♪大丈夫!煮たら糸見えなくなったから♪」
「っっ?!」


不意に自慢するように妙に見せられたのは黒い物体
話の流れから新八は黒い物体=烏賊を煮た物と察してしまった。


「新ちゃん、早く手を洗ってらっしゃい」
「あ、姉上……」
「ご飯も炊けたし味噌汁も出来てるから夕飯たべましょう♪」


現れた拒否反応のせいか…。
新八は酷く眩暈がし、視界が歪んだ。
(糸が寄生虫であってもなくっても確実に身体に害があるぅぅぅぅっっ!!!)
と同時に自身のすぐ近くで死神が笑って待っている気が、した。

























(妙+新。一部実話(笑)。買ってた烏賊が腐ってました。腐敗臭が凄かったです……)




初出し 2009-12-03 04:52
改訂  2012-09-05

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