銀魂

□誓=祈
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目があって
→だけども妙が殴りもせず逃げ出しもしなかったのは…近藤が珍しく真面目な顔をしていたからかもしれない。


「お妙さん…よろしければ何処かでお茶でも如何ですか……?」


少し苦笑しながら齎された重低音ヴォイス
往来で妙は少し考え込んだが、素直に承諾の意を近藤へと伝えた。
(な、なにかあったのかしら……?)
一緒に道を歩いていても特に会話はない。
けれども妙が苛立ったり苦痛だったりしないのは、自身に合わせてくれているゆっくりめな歩調などから近藤が気遣ってくれているのがわかるからだろう。


「何か…、何かあったんですか…?」
「すみません。急に誘って…」


そのせいか、いつもより素直に妙は近藤へと質問を投げ掛けていた。
と同時に微かに跳ねた厳つい肩
つられて妙の柳眉がぴくりっ、と跳ねる。


「別にそんな事は構いませんっ!」
「……………………………」
「私が聞きたいのはそんな言葉じゃなくてっ……!!」


感じる違和感
原因を探りたいのになんと言えば良いかわからなくて。上手く言葉が出て来ない妙はギュッと唇を噛み締める。
そんな妙に近藤は一瞬瞳を閉じた。
けれど、


「お妙、さん…。俺、勃発した争いを終わらせる為に蝦夷に行く事になりました」
「……ぇ…?」
「ちょっと大きな戦になってて…もしかしたらもう戻って来れないかもしれません」


けれど、それは本当に一瞬で。
再度妙を捉えた近藤の瞳はとても綺麗に澄んでいた。
覚悟を、最期の覚悟を決めたのだと妙は悟る。


「だから、もう一度…もう一度だけお妙さんに逢いた「迷惑です」
「お妙、さん…」


だから…
だからこそ、妙は言葉を遮った。
そして、自身の髪を結んでいた髪紐を解いて近藤へと渡す。


「それ、気に入ってるんです。今は貸してあげますが、後で必ず返しに来て下さい」
「お妙さ「絶対ですよ…?でなければ、近藤さんを大っ嫌いになります」
「……………………………」
「本気、ですからね」


淡々と話続ける妙に近藤は軽く瞳を見開いた後、口元を緩めながら瞳を優しく細めた。


「わかり…ました……」


そんな近藤を見つめ、妙は今にも泣き出しそうな気持ちを押し殺して精一杯微笑んだのだった。




改訂  2012-09-04

→その後・近藤Side(2P)
     妙さんSide(3P)
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