銀魂

□病
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「えっ?!ちょっ…!」
「失礼します」
「ヒャッ!」


急に背後から黒い上着を優しく肩にかけられ、買い物帰り中の妙は狼狽える。
自身が置かれている状況をきちんと理解するより早く近藤にお姫様だっこされていて。


「な、何っ?!」


妙はあちこちに視線を泳がせた。
いつものように殴ったり出来なかったのは、いつもとは違う近藤の雰囲気のせいなのか。


「ゴ、ゴリラッ?!」


わからなくて。わかりたくなくて。
妙は焦る。焦る。焦る。


「ゴリ「無理しないで下さい」
「……ぇ…?」


不意に齎された重低音ヴォイス
言われた言葉の意味を理解するよりも妙は普段より低い近藤の声音に動揺していた。


「体調…崩してるでしょう?」


何故だか辛そうな顔で覗き込まれて。不思議な気持ちが沸き起こる。
(誰にもばれなかったのに…なんで……)
思わず丸くなる瞳
何と言えば良いのかわからず、ジッと妙が近藤の顔を見つめているとポタリ、と透明な雫が頬を濡らした。


「雨…降ってきちゃいましたね」


勿論近藤もそれに気付き、素早く大空に視線を巡らせる。
今まで向けられていた瞳が逸らされたせいか、言い様のない寂しさを感じたが…


「すみませんが走ります」
「……ぇ…?」
「雨が激しく降り出す前には家まで送り届けますから」


再度向けられた顔の表情はとても優しく穏やかで。安堵した妙は珍しく何も言わずに近藤の腕の中で瞳をふせたのだった。



病は人を正直にする…?
























(近妙。漢らしい近藤さんが書きたかっただけだったんですが…
うん。相変わらず意味不明です(笑))




初出し 2010-01-21 13:41
改訂  2012-09-02

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