銀魂

□狂→痕
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「す、すみません!熱のせいで全然覚えてなくて!!お、お妙さ「寄るな!クソゴリラッ!!
「え、あの「近付くな!アホゴリラッ!!!!」……グフッ!!」


幾度となく拒絶されながらも尚も言い募ろうとした近藤へ、妙は綺麗な右ストレートをきめた。
そして、そのまま逞しい身体が倒れゆく姿を少しも見る事なく踵を返して歩み去る。
(なんで覚えてないのよっ!)
苛立ちが止まらなくて。足音荒く自宅に帰った妙の鼻息は荒かった。
外着から部屋着に着替えようとばさり、と勢いよく着物を脱ぎ捨てる。


「まだ、消えない……」


服を脱ぐと嫌でも見える両腕の紅黒い手痣
背を向けて鏡の前に立って顔だけ背後に向ければ、見えるのは白い背中に多数散らばる紅い華
(所有印、みたい…)
確認すれば嫌でも甦る記憶は抱き留める手の強い力と熱い体温。
抱き締めた固い身体とその大きさ。
肌を擽る熱い吐息と落とされた唇の柔らかさ、セクシーな重低音ヴォイス。
思い返せば思い返すほど身体の熱が、あがる。自然と瞳が、潤む。


「なんでっ…!なんで覚えてないのよっ!!」


不意に零してしまった自身の言葉に妙は狼狽え、柳眉を寄せた。
(ち、違っ…!覚えてないほうが良いに決まってるのに……!!)
脳内を占める全てを消そうと頭を振りまくる。
当たり前の事ではあるが、目が回り頭がくらくらした。


「莫迦ゴリラッ…!」


何かに誘導されたかの如く、左腕の痣にそっと唇を寄せる。
とほぼ同時に一筋涙が零れ落ちて。
(本当に莫迦なのはわた、し…)
妙は静かに唇を歪めた。
胸が痛くて。苦しくて。堪らなかった。

















































(近妙。昨日の続き。お妙さんの背中に多くのキスを落とした後熱がまた上がり意識を失ってしまった近藤さんは、風邪が完治してから土方さんあたりにお妙さんが見舞いに来てくれた事を教えられ、偶然会った時に御礼を言おうとした(←勿論、自分がお妙さんを襲った事など覚えていない)が逃げられた場面のその後みたいな感じです(←説明長っ!)
思うのですが、そういうシーンよりキス痕とかその場を思い出した表情とかのほうが女性はエロチックだと思うのですが……
それは私だけですか…?んーわかんねぇ…
相変わらず意味不明ですみません(笑))




初出し 2009-07-16 02:20
改訂  2012-09-01
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