銀魂

□狂→痕
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「何、して…っっ!」


さらり、と衣擦れの音
身を強張らせるより先に着物を僅かに剥かれた妙の項に落とされたのは、熱い近藤の唇
それは止まる事なくゆっくりと、けれども確実に背中へと下りていく。


「ヤァッ…!」


逃げる為に身体を動かそうとしたが、今まで風邪で寝込んでいたのが嘘のように背後から妙の細腕を掴む近藤の手の力は強い。
いや、今まで寝込んでいたからなのか…
明らかに力加減が出来ていないし、いつも熱いと思う手も更に火傷しそうなほど熱くて怖い。


「こ、近藤さ「すみま…、せん……今だけ………」


妙の背中から唇を離さないまま話す為に、熱い吐息が白い肌を擽る。
びくんと細い身体が跳ね上がった。
(なん、で…なんでこんなこと、に……?)
生理的なものもと心理的なものが含まれた雫が妙の瞳に溜まる。
揺らぐ視界に誘われて。嗚咽と嬌声が混じりあったものが部屋に響き渡った。


「……すみませ…、」


もう近藤が譫言のように零した声にも反応出来ず、妙は今にもなくなりそうになる意識をただただ必死に繋ぎ止める。
現状を考えるに、こんな場所で意識を失うわけにはいかないのだ。
何故見舞いに行こうなどと思ったのか、数時間前の無防備で馬鹿な自分を胸中で責める。
それに夢中になるあまり、再度熱が上がった近藤の方が先に意識を失っている事に気付くのが遅れてしまった。


「ちょっ、ちょっと!近藤、さん?!」


何もなかったとは言えずとも、取り敢えずは助かった妙の一番の問題は、近藤の行動に嫌悪感が全く湧かなかった事である。
いきなり過ぎで怖い゙とは思ったが、決して嫌ではなかった。
その重要な気持ちに妙が暫くの間気付けなかったのは、絶対に近藤のせいだろう。
絡まった心の糸
故に、解けるのはただ一人――…






















(近妙。なんだろう?何故だろう?珍しく攻め近藤。しかしながら、熱がきちんと下がった後には何も覚えてないという罠(笑)
相変わらず意味不明)




初出し 2009-07-15 02:07
改訂  2012-09-01
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