企画

□言えぬ想い
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いつも付き纏う男
いつも付き纏われる女
その関係が壊れるきっかけは不意に訪れる




言えぬ想い





___________





「…どうしました……?お妙さん」
「っっっ!」


全てを見透かしているような真直ぐな瞳
なにもかもを曝け出したくなる深く優しい声

(だから嫌いなのよっ!)

いつも莫迦みたいに名を叫び、飛びつきそうな勢いで纏まりつく勲が今日は何かを感じ取ったのかそうしない。
その事が苛立たしくて妙は唇を噛み締める。
目の前にいる人物だけではなく何処までも青い空が疎ましかった。


「お妙さん?」
「……………………………」
「おた「触らないで下さい!」
「……ぇ…?」


俯いて表情が見えないせいだろう。
心配し、自身へと伸びてきた勲の手を妙は振り払った。
いつものような威力は出していない。
それでも……


「いつも言ってますよね?ゴリラとは付き合えませんと…!」


それでも妙にはいつも以上に手が痛く感じられ……
心が軋む。悲鳴をあげる。


「大っ嫌いなんですっ!!いい加減にして下さいっ!!!」
「っ!」


勢い込めて睨み付けたままで妙は一息で言い切った。
肩で息をしながら見た勲の表情は若干驚いたようなものが混じる傷付いた表情で……


「それでは失礼します」


見ていられなくて…見ていたくなくて……
さっさと妙は踵を返し歩き出す。
滲んで揺らぐ視界
引き止める勲の言葉はなくて…
ホッとしながらも妙は胸が痛かった。


「…莫迦みたい……」


(私にいつも『結婚して下さい』と言うくせに…
私のストーカーのくせに……)

今妙の脳内を回るもの
自身が先程傷つけてしまった勲の表情とその直前見てしまった淑やか雰囲気を持つ美人な女性と勲が楽しげに談笑する姿、そして勲の右腕部分の隊服に当たり前のように触れる華奢な白い手……

(息が…上手く出来ない……)

何度も嫌がらせのように同じ情景が妙の脳内をリピートする。
目を瞑れども消えなくて…
強く噛み締め過ぎた唇からは血が漏れ出ていた。


「本当に…莫迦みたい……」


渇いた自嘲の笑みを浮かべた妙から落ちた雫
それはポツリポツリと落ち続け暫く止まる事はなかった。











初近妙です。結構ダークめです(汗)

実は嵌まりました!嵌まってしまいましたよっ!!
何?!あの近藤さんの可愛さ!格好良さ!!
堪りませんね〜〜!!
ヤバいっ!漫画を全く読んだ事もなく、アニメもきちんと見てないのに銀魂に嵌まりそうです(笑)
本当にヤバいです!



→まさかの近藤さん視点(笑)
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