企画

□ソレの意味するところ
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花に花言葉があるように品物には含みを持たせた意味が存在する
きちんと理解しておかないと大変な事になる、かも?





ソレの意味するところ






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「ぁっ、あのっ!」
「ん?」
「これをっっ!!」


バレンタインに偶然逢えた事で弥子は決意を固め、勢いをつけて笹塚に細長い包みを差し出す。
訪れたのは暫しの沈黙
顔を合わせられずに俯いていた弥子にはその時間が長く感じられ、さして重くない包みがどんどん重量を増している気がした。
どうしようもなく微かに震えてしまう手が酷く恥ずかしい。


「ありがとう」


堪えきれなくなって手を引っ込めようとした瞬間、不意に手から重みがなくなった。
それに誘われ慌てて顔を上げれば少しだけ柔らかく微笑んだ笹塚がいて。弥子の耳や項が真っ赤に染まってゆく。
真直ぐその表情を見詰め続ける事が出来るはずもなく…大きな瞳を泳がせた。


「ぇっ、えっと、その、甘い物より実用品の方が良いかな、と思ってネクタイ、なんですけど…」
「そうなんだ」
「はいっっ!!」


身体はガチガチ、思考は凍結寸前
今まで食い気オンリーだった弥子にとって、好きな人に贈物をするだけでいっぱいいっぱいだったのである。
それに気付いているのかいないのか。


「知ってる?」
「…ぇ?」
「女性から男性にネクタイを贈るのはあなたに首ったけって意味らしいよ」


弥子には爆弾に等しい言葉を淡々と紡がれて。ただでさえ大きな瞳を見開くと笹塚の顔が甘く蕩けた。
そのままズイッ、と間合いを詰められる。
弥子の脳内が瞬時に沸いた。


「あってる?」


甘い笑顔につられた、と言っても過言ではない。
深く考える事をせずに聞かれた問いにひたすらこくこくと弥子は頷いた。
そう。それがどういう意味を含むか気付けずに頷き続けたのだ。
クスッ、と珍しく笹塚の笑い声を聞いた気がし、驚いて思わず弥子の動きが止まる。止まって、しまう。


「ならホワイトデー期待しといて」


とほぼ同時にぽん、と頭をひと撫でされ、耳元で優しく甘く囁かれていた。
そして、仕事があるから、とさっさと踵を返して歩み去った笹塚の気配が完璧に消失して気付く。

(って、あ…れ……?)

先程までの会話の意味するところを。
足から力が抜け落ちてしまい弥子は地面に座り込んだ。


「うっ、そぉ〜〜…」


熱い顔を手で覆い隠す。
纏まらない思考を必死で巡らせても全く展開が信じきれず、弥子は混乱で半泣き状態になりつつ唇を噛み締めたのだった。
























(笹弥子。修勇でも書きましたが今年ば誰もチョコレートはもらわない゙シリーズなので迷った挙句の企画部屋です!!
っていうか笹塚さん!ホワイトデー一体何するんだろ?(←目茶苦茶他人事(笑))
ん〜相変らず意味不明ですみません(汗))






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