捧げ物

□ただ、お前を…
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離したのは俺。
離れたのはお前。



ただ、お前を…




___________



お前の手を離してから、何年経っただろうか…

お前が側にいねぇ時間があまりにも長過ぎて俺は数えるのを止めたが、きっともう何十年も経っている。

その間俺が見たお前はいつも兄となった朽木白哉の後を俯きがちに沈んだ面持ちでついていく姿のみ。
あんな場所にいたにも関わらず白い陶器のようにすべらかだった肌は張りを失って蒼白く、昔は生き生きとし紫水晶みたいにキラキラ輝いていた瞳は虚ろで、ただでさえ小さな身体はもっともっと小さく見えた。


伸ばそうとした自分の手を幾度握り締めたことかっ…!
俺の手からは何度も紅いものがこぼれ落ちていった…


こんなもどかしくて苦しい想いをするぐらいならば離さなければ良かった
と何度も何度も同じ考えが頭を巡り…

俺はその想いが頭に浮かぶごとに小さい刺青を増やしている。
自分の罪を、自分の愚かさを痛みを与え、いつでも見える形にする事でなんとか自分の闇を押さえ込む為だ。

こんなまだ何も出来ない、力もない俺がお前の側に行ったって、お前に迷惑がかかるだけだから…
俺は自身を押さえ込むしかない。






早く
もってもっと強くなりてぇ…
誰の手からもお前を守れるように、
もう二度と離さずに済むように、
もっともっともっと!!

俺は強くなりてぇっっっっ!!!!











まだまだ届かぬとしりながら
俺はいつでも、いつまでも星に恋い焦がれてる





『恋次♪』

いつまでも消えることなくお前の嬉しそうな声が今は遠い記憶からリピートされるから

いつまでも消えることなくお前の笑顔が頭の中にリピートされるから





俺は幾度となく

ただ、ただ…
お前を想ふ―――






明らかなる駄文を紗璃様に捧げる(笑)。
『出せない手紙』に妄想が広がりました(*^_^*)




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