企画

□プレゼントR
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バレてしまった…
一番知られたくないやつに…
バレてしまった(泣)




プレゼントR



___________



ついてない…

本当についてない…



今日はクリスマスイヴだっていうのにおとなしく屋敷にいる。



理由は単純。


体調を崩してしまったのだ。


その為ここ3日程外に出ていない。



あ〜あぁ、

久々に恋次と一緒に過ごす約束をしておったのに……。


忙しい恋次が私の為に時間を頑張ってつくってくれたのに……。



どれだけ溜め息を吐いても、だいぶマシになったとはいえ、まだ風邪気味だから恋次には逢えない。


年末が近い為毎日のように夜遅くまで仕事をしなければいけない恋次にうつしてしまっては大変だからだ。



逢いたいけど、逢えない…。


寂しい………。





そんな心の隙間を埋めるようにレンをギュッと抱き締めた。


「レンは柔らかいな。
恋次とは全然違う…」


ポツリと呟いた言葉が自分がたてない限り音がしない部屋の空気を静かに震わせた。






レンは、誕生日に恋次にもらった大きい兎の人形だ。


「寂しい時には抱いて寝ろよ…
俺のかわりにな……」


ニヤリと笑いながら言った恋次の顔が思い出される。


あの時は呆れた顔をして『兎は好きだからもらっておく!』と奪いとったっけ……。




恋次の言葉通りになっている事が癪だが仕方がない。


どれだけ惚れているのか嫌って程自分でわかってるから…。






「ほんと…愚かだな…」

静かに呟きながら兎の頭に巻いているハチマキに触れた。


本当は刺青を刺繍しようかと考えたのだが、そこまでの技量はない為諦めたのだ。


そのかわりにハチマキを巻いた。


少しでも恋次に似るように―――



自分の乙女っぷりがサムイ…。





そんな事を考えていた為か、心の中の寂しさがさらに深まっていった。


「………寝るか…」

だから、原因を考えなくて済むようにレンと一緒に夢の中へ旅立とうとする。




その時であった。
よく知った霊圧を感じたのは――。






…………………!?


なんでっっっ!!!!



考えるよりも早く声がする。



「ルキア様、阿散井副隊長がお見えです。
お通ししてもよろしいでしょうか?」



やっぱり恋次が来てる!!!


「ああ、通してくれ」


嬉しくて、嬉しくて…
すぐ返事をする。



が……、屋敷の者が恋次を呼びに行ってから気付く。


着物がクシャクシャになっていることに…




っっっ!!!
ずっと横になってたから!!


てことは、髪もグチャグチャ……?



いやっっっ〜〜!!!



慌てまくって

恋次が来る前に急いで着物を着替え、髪を軽く整える。


間に合った…?


「おい、入るぞ?」


一応整ったと思った時、恋次の声がした。



ああ…


白い物体に目がとまったのはそう答えようとした瞬間であった。



っっっっ!!!!!


レンを隠し忘れてた!!!!



このまま見つかったら、恋次になんと言われるか……!!



「ルキア……?」



返事をしないので、心配になったのだろう。


不安そうな恋次の声がする。



あああああぁぁ!!!


「待ってくれっ!!!」


大きな声で返事をしながら、レンを素早く隠そうとする。



だが、その時。


ルキアはひいてあった自分の布団に足をとられ………



ガシャ――ン!!!!



大きな音が響く。



「……っ!ルキアあけるぞ!!!」


「待っっ……!」



布団の側に置いていた物が錯乱して腕や身体にあたり痛かったが構っていられなかった。


慌てふためき、レンを抱き締めたまま身体を起こす。



ガラッッッ!!!


乱暴に襖をあけられたのはそれと同時であった。



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