SD
□いろいろ創作バトン
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下の語句の中から3つを選び、組み合わせて、
詩、ポエム、SS、絵、マンガ、などなどを自由に書いて(描いて)下さい。
■語句■
・ブックカバー・お菓子・うちわ・テレビ・メガネ・ネイル・前髪・グラス・ガラス玉・学ラン・スーツ・小鳥・鏡・色えんぴつ・ノート・エプロン・マクラ・ペンケース・マグカップ・シーツ・安全ピン
■使用する語句
⇒ネイル・学ラン・安全ピン
※使用する語句を変えて、違う作品を2個、3個と造っていただいても構いません。
ではがんばって下さい!
--*--*--*--*--*--
「水戸君ボタン取れそうだよ?」
「…え?」
「ボタン!」
学ランの裾を軽く引っ張られる感覚に驚いて立ち止まる。
慌てて振り返ると大きな瞳の女子と目が合った。
その透明感溢れる眼差しに鼓動が高く高く跳ね上がる。
好意を抱いている女子であったが為に尚更意識してしまったのだ。
(…かわいぃ……)
動揺を隠そうと視線を外してからやっと気付く。
細い人差し指が指し示しているボタンに。
彼女の言葉通り今にも取れそうになっていた。
糸が伸びており、後少しの衝撃でも加われば直ぐさま外れてしまうだろう。
だが、
「貸して?ソーイングセット持ってるからつけるよ」
「や、悪いからいいよ。ボタン取れたら代わりに安全ピンとかで止めとくし」
だが、別に細かな性格ではない為、本音を言えばボタンが取れて開けっ放しになっても構わなかった。
でも、真っ直ぐこちらを見詰めてくる彼女にそんな事が言えるはずもなく、わざと笑顔で誤魔化そうとする。
「気にしないで!こう見えても裁縫得意なんだから♪」
「けど…」
「あっ!もしかしなくても…私に触れられるの、いや……?」
「違う!」
けれど、潤んだ瞳で俯かれたら誤魔化し続けることなど出来なくて。勢いよくか細い声を遮った。
自分のせいだとわかっているからこそ居た堪れない。
言い訳や取り繕う事は得意ではないので何も言わずに急いで学ランを脱いだ。
らしくもない焦りと照れ隠しで少々乱暴になってしまったがなんとか服を手渡す。
「今更だけど、頼んでもいい…?」
「っっ!」
素直に顔を見れずに視線を逸らしつつ頼めば、一瞬息を鋭く飲む音が聞こえた。
心に緊張が走る。
握った拳に伝う汗がとても気持ち悪かった。
「勿論!」
だからこそ力強く言われた言葉に安堵してホッ、と息を吐く。
とほぼ同時に自身の学ランを持っている彼女の手に目がいった。
白く細い指も、ネイルなど塗っていない綺麗な桃色の爪も、酷く愛おしく思う。
彼女が縫ってくれている間、水戸はそこから視線が逸らせそうにないのだった。
(水戸氏。久々に水戸氏登場です!今回は学ランを使用してしまいたかったんですよ。
ん。相変わらず纏まり悪くてすみません(汗))
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初出し 2011/03/14 03:42