BL話

□まけないつよさ
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ヤミヤミの実
これを食べたことにより、彼は少しずつ壊れていった


「サッチ」

「・・・あ、まるこ」


にっこりと笑った彼の顔は血まみれだった


「まるこもする?たのしいよ」


ずぷずぷと周りをうめ尽くす闇は、彼から出ているもの


「マルコ?」
「来るなエース!」
「!?」
「お前は、今のサッチを見ないほうがいい・・・
 今日はまた、一段と酷いよい」


暗い裏路地には、血の匂いが充満している
サッチを探しに行くのは、いつもマルコとエースの仕事
彼らがサッチと一番仲が良いから、一番危険が無い


「さっち」


エースの小さな呟きに、サッチはハッと目を見開いた



「ぁ」



目の前には真っ赤に汚れた一般市民
そして、親友



「はぅ、やあ・・・」

「サッチ」
「マルコ、まるこ・・・おれ、おれ!」
「もういい、落ち着け」


マルコはサッチの手を取ると、そのままエースの元へ歩み寄る

ヤミヤミの実の悪魔によって狂いはじめてきたサッチを止めるのは親友であるマルコの役目
そしてサッチは弟分のエースの存在で正気を取り戻す


「サッチ、かえろ?」


大の男がぐったりした男を挟んで手をつないで歩いている光景は、まったく奇怪なもの以外何者でもない


「ごめん、ごめん、おれ」
「なんで謝るんだよ」
「そうだよい、悪魔の実の副作用なんて今まで見たことも聞いたこともなかったんだからな」


かわっていく


本質や心は変わらないのに、他がおかしい、かわっていく
もう一人の彼が、いる





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