04/29の日記

20:52
You
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「…会いたいなぁ」

呟く私に応えるモノは無く、ただひとりきりの空間で、自分の言葉は反響することさえない
…寂しい、と言えば何か変わるんだろうか。

なんて
弱音と知れない言葉を思い浮かべては貴方を思い出す
本当は何も要らなかった

要らないの、
この幸せを失わなければ。


それでも、覚悟を
いつかは覚悟をしなければいけないのだとしたら、私の生きている意味とは一体何なのだろう

歩き続ける自分と
立ち止った貴方と

縮まらない差を埋めるのは一体何なのか

…弱い私でごめんなさい
心の中で謝って、目の前の成れ果てから目を背けるように目を閉じた

当たり前だと思っていたわけじゃない
それでも、永遠を望むのは悲しい人間の性なのだろうか…いつまでも、なんていうのは浅はかな傲慢さが招く感情なのだろうか

悲しみに暮れる人間を、神様は一体どういうつもりで見守っているというのだろう


――もう二度と逢えない、と。


理解は出来ても納得は出来なくて
こうして今でも未練がましく此処に居る自分を、貴方はどう思っている?
見えないことばかりなのに、進める訳がなくて






「―――居た」
「…ん」





背中の方から飛んできた声に、振り返ることなく簡潔に応え、そのまま沈黙が流れる
彼はそれを気にすることなく、迷わず私の隣へと腰を下ろす

…風が流れる


この空の先に、貴方が居て
でも、決して私には届かない場所に居て。

取り戻せない悔しさだけが、私を少しづつ壊していくようだった…崩れていくって、きっとこんな感じなのだろう




「――…カカシ」
「なに」
「戻りたいよ」
「…それは出来ない」
「心が、壊れそうなの」
「…」




頬に被る風が冷たい
ああ、私泣いているのかな…

他人事のように考えるけれど、拭うことはしない
みっともないだなんて考える余裕は無い
苦しいだとか
つらいだとか

いろんな感情が渦巻いていて、声すら出せずにもがいて生きていく自分は、どうすればいいのだろう?
道標の様だった貴方

光を無くした航海なんて、
只絶望の淵に立たされているだけなのではないか。






「駄目」
「…、何が」
「お前は生きていかなきゃ駄目」
「――意地悪ね」
「意地悪だろうが、お前は生きてるんでしょ」
「…」
「いつかは笑える…とか無責任なことは言わないけど、歩き続けなきゃ…お前は生きてるんだからさ」
「どこに、」





行けばいいの?
どこまで行けばいいの?

なくしたものが大きすぎて、
動くことすら出来ないのに。






「どこでもいい」
「…」
「俺が隣で居るから」
「かかし…、」
「俺は千年生きるから大丈夫」

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