09/06の日記

09:55
かなわないなあ…(荀攸視点
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「えへへー。ねぇ主公、荊州はきっとすぐ手に入りますよぅ。だからねぇ…」
かなわないなあ…と思います。
冗談に紛れ込ませるように伝えられる奉孝殿(郭嘉)の言葉の数々。これからの我が軍の展望と、取るべき手段と対策と。そう、と聞かなければ分からない程にさりげなく、ささやかに。

「お前、もう寝ておけ。明日も長いぞ」
「嫌ですねぇ、私そんなにお子様じゃないですよぅ。それに主公、私が寝ちゃうとまた放って行こうとするでしょ。駄目ですよぅ。私、主公大好きなんですから、ずっとついて行きますよぅ。荊州ならもう落ちますから楽しみは少しくらい取っておいてもいいでしょ?」

…。そうですよね。奉孝殿、主公が大好きですよね。ここにいる皆と同じように。最期まで、主公といたいんですね…。

「大丈夫ですよ。奉孝殿の寝てる間に主公が出立しようとしたら、私が引き止めておきますよ」
「さっすが公達殿(荀攸)!私の代わりに主公をお願いしますよう」
…。
目だけは笑わない奉孝殿の笑顔に、私は込み上げそうになる涙を堪えて…。
「はい。何事も急ぎ過ぎないように、何があっても主公を引き止めますね」
にこりと笑って答えました。

奉孝殿はほっとしたように、今度こそ笑ってくれました。

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