08/12の日記

06:54
ゆっくり(曹丕視点
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「だから…」
昨日の今日で寝不足気味な私は、ふあ、と欠伸を一つ。
「確かに私も出陣するが、先に先鋒が立ってからだ。まだしばらくはいる」
「はぁ…」
納得したのかしていないのか、師父は気のない返事をした。

大体、私だって忙しい。決まった官職を持たない私は父の補佐という名目で色々な府庁に出向いている。
今日だって…こうして師父らの手伝いに駆り出されているのに。
出陣自体が私を忙しくするのではなく、出陣に必要な物資や地理、より細密な敵情などの作成で関連府庁が忙しくて人手不足となる為に、私がその穴埋めをしに来るのだ。


「そうですな…。ではここはこのように」
師父は取り次ぎに来た官吏に指令を次々飛ばし、新たな竹簡をまた大量に運び込ませる。

「…今日中に終わるのか?」
「終わらせる為に子桓様が来てくださったのでは?」
私の問いに目も合わさず師父は黙々と竹簡を仕上げていく。

その姿に少しむっとして…。
そっと卓を立って師父の前に腰を下ろした。
「仲達」
「は…?」
唇だけを重ねる口づけを。

「子桓様…」
にぃ、と笑ってまた席に戻る。
「続きは仕事が終わってからな」
それだけ言うと、私は筆を取った。

今晩もまた寝不足だな。

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