儚い緑
□木漏れ日
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「ルーク…」
「呼んだか?」
「?!!」
呟いた瞬間、遠くから声がした事に驚くと同時に、勢い良く身体を起こした。
そこには、紛れもない
僕の好きなルークが立っていた。
「ルー…ク?」
僕がきょとんとしながらルークの名前を呼ぶと、苦笑いしながら僕の方へと近付いて来ると、優しく後ろから抱き締めてくれた。
「……なんて顔してんだよ…」
そっと、耳元で囁かれればじわぁっと涙が溢れて来た。
ルークの腕が僕をきつく抱き締めてる、ルークの声が頭を駆け巡る、ルークが僕の側にいる…
「ぅっ…、ルーっ…く…」
どうしようも無く声が震えてしまう。
ルークが側にいる。
「イオン、ごめんな」
「謝らないで」
僕は力一杯涙を拭うと上を見上げそう告げた。
ルークの温もりがそっと離れると、僕はルークの方を向き無理矢理押し倒した。
ルーク
僕のルーク
もう 誰にも
渡さない
end