儚い緑
□届かない
2ページ/8ページ
何故僕はルークの事が好きになってしまったのでしょうか…
溢れだす想い。
ルークは受け止めてくれるでしょうか…?
「ルーク」
一人野原に座り込み、雲の多い空を見つめる。
「僕にもこんな感情があるのですね…」
ふやっと、イオンを包む暖かい風が吹いた。
暖かい風…気持ち良いですね…。
このまま何処か遠くに運んでくれないでしょうか…?
報われない恋ほど、辛い事はありませんから…。
そのまま体を横にして、風を体一杯に感じる。
ゆっくりと目を瞑り、夢の中へと落ちて行った。
「好きです、何てバッカじゃねぇの。いくらイオンだからって男は男だろ。キモいっつーの」
最後の言葉が頭の中を繰り返し駆け巡る。
嫌っ、嫌わないで下さい、僕は…僕はただっ
「男に好かれても困るっつーの、もう近寄るんじゃねぇぞっ」
ルーク、駄目っ、行かないでください…ルーク、ルーク…!!!
「!!っ…はぁ…はぁ…はぁ…」
夢…?
やっぱり、気持ち悪いのでしょうか…。
「………………」
考えるだけで胸が苦しくなって来る。
ルークにだけは、嫌われたく無いんです。