儚い緑

□届かない
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ルークの長い髪。
サラサラと風に揺られてる。

今なら、少し位ルークに触っても気付かれませんよね…。

まだ少し暖かい日差しから、ルークをすっぽりと隠す様に影を伸ばす大木。

スヤスヤと眠っていますね…

広い野原に寝そべるルークにそっと手を近付ける。

ゆっくり優しく、ルークの頭を撫でる。

「…ルーク…」

愛しそうに名前を呼ぶ。

「好き…」

風が強くなってきた。
ザワザワと木々が揺らぎ、木の葉が舞う。

「僕は何を言っているのでしょうか…」

クスクスと笑いながら、ルークの隣へ座る。

髪飾りを全て外すと、イオンは涙を流し。

「僕は、アリエッタやアニスに好かれたいんじゃありません…ただ、ルークに好きになって欲しい…」

ボタボタと落ちる涙。

下を向いたまま、ギュッと拳を握る。

「ただ、好きなだけなのに…」

「…イオン…?」

ルーク、起こしてしまいましたか…。

「…何ですか、ルーク?」

涙を腕の裾で拭い、ルークの方へと振り返る。

「お前、今泣いて無かったか?」

「泣いてませんよ」

ニッコリ笑顔を作るが、今日だけは、ひきつってしまった。

「…イオン、何かあったら俺に言えよな、親友なんだから!」

「はい…」

「じゃあ、俺皆の所に行ってくるから」

じゃぁな、と言い残し、ルークは走りさってしまった。

親友、今はただ、辛いだけの言葉…。
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