色々
□仮面
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「何か用、導師イオン様?」
何故でしょうか。
同じ顔なのに、同じ声なのに…。
貴方に心奪われてしまう。
その仮面を取れば、心の仮面も取れるでしょうか?
「…何…?」
「…見たいです…」
「見たい?」
シンクの全てが見たい…。
泣いてる顔
怒っている顔
照れてる顔
拗ねてる顔
全部、一人占めにしたいです…。
「…シンクの全てを、僕だけにください…」
そうつげて、僕はシンクの仮面に口付けをする。
僕は、シンクの胸に顔を隠しながら呟いた。
「……シンク…好きです……」
貴方は笑うでしょうか…?
でも、僕はもう隠しきれない。
好きで好きで好きで…
切なくなるほど大好きで…
シンクの服を両手でぎゅっと握り締める。
「……イオン……」
そっと、上を向く…
そこには、仮面を外したシンクが…
優しく柔らかい笑顔を僕にくれた…。
end