色々

□此方向いて
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「やだよ…ジェイドぉ…行かないでよぉ」

「……………」

「ジェイドっ…ジェイドぉっ〜…」


ジェイド、貴方は何時も私を置いていく…

追い掛けても追い掛けても、私の前から消えて行く…

あの頃も、そして今もきっと…

「ジェイド…」

「何ですか?」

「…………」

「用事が無いのなら、私はもう行きますよ…?」

「待って…行かないで…」

きっと、泣いてもジェイドは行ってしまうだろう…

そう想うと、胸の底が痛くなった。

「………好き………」

無意識のまま呟いてしまった言葉、恥ずかしさで一杯になる。

「サフィー」

「さぁっ、速く行って下さいっ」

今の私の顔は、きっと真っ赤ですね。

ジェイドに好きと、そう言えばずっと言っていませんでしたね…。

もっと、もっともっと伝えたい。
貴方に好きだと、愛していると…。

「…サフィール…」

ジェイドが私の名前を本当に小さく呟くと、私の背中に抱きついて来た。

暖かい胸に、冷たい手。

そっと、貴方の手をとって、頬に当てる。

「……ジェイドの手……」

何故でしょう、涙か…涙か…。
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