中華戦乱

□第1話
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「あ・・・・・雪だ・・・・」



この頃寒くなりだしたと思ったら今日遂に今年の初雪が降った



真っ白で小さな粒が天から静かにフワフワと下りてきて


世界を白に塗り替えていく様は


誰が見ても綺麗だと感じるだろう




我が国の皇子の元へ書類を持っていく途中だったけど・・・

廊下の開け放たれた窓から外を覗いてみた


まだまだ降り始めたばかりでちっとも積もってなかったけど

沢山の白い粒が町に降り注いでいて

ぼんやり霞がかった町並みがなんだか面白かった



・・・・・・・積もったら

きっと雪合戦とか始めるんだろうな

みんなで子供みたいに遊びまわって


・・・・・楽しみだな



雪が積もってからみんなと遊ぶためにも、早く仕事を片付けようと思い

僕は再び廊下を歩きだした




「空翠(コウスイ)〜」

「?」



声をかけられて後を振り向けば

反物の山がこっちに向かって歩いてきていた




「・・・・・悠諳(ユウアン)?」
「うあ〜・・・・朱衛(シュエイ)に宮廷用の絨毯を頼まれたんだけど・・・・重くて・・・・」
「大丈夫?少し手伝うよ」


上から二つ三つとって持ってあげると、悠諳はだいぶましになったようだった


「ふぅ・・・ありがとう」
「どういたしまして。これ朱衛のとこに持っていくの?」
「うん。とりあえず部屋まで宜しくって頼まれた」
「僕も朱衛の部屋にいくところだったからこのまま持って行くよ」


目的地も一緒だってことを確認して、僕たちはまた歩き始めた


「いや、本当に空翠がいて助かったよ」
「僕がいなかったら悠諳のことだから今頃大変な事になってるよ」
「うん・・・・まぁ、そう・・・だと思うけど・・さ・・・・・」
「お兄さんとかに手伝ってもらえば良かったのに」
「ジャンケンで負けたから・・・・」
「・・・・・・はぁ、バカだなぁ」
「えっ?何!?」
「何でもないよ」
「え〜空翠!!!!??」
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