立海一家シリーズ

□立海一家外伝
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【ウチの子 Ecstasy!!】


『皆さんこんにちは。白虎のサエこと、佐伯虎次郎です』

『こんにちは〜。同じく蔵こと、白石蔵ノ介です』

『え〜、今回のリスナーからのお便りやメールなんですが、先週の蔵のウチの子自慢の反響が凄い事になってるよ』

『何々?ウチの金ちゃんの話?外で飯食う時なに食べたいか聞いたら「おこさらまんち!」言うたほんまにめちゃくちゃ可愛え金ちゃんの話?』

『そこで、緊急特別企画です!』

『何や突然やなぁ』

『タイトルは?蔵!』

『ウチの子 Ecstasy!!』

『はい。このコーナーは、リスナーから届いたウチの子自慢を紹介し、ジャッジしちゃおうというコーナーです。蔵が、とっても可愛いと思ったら…』

『んん〜っ絶頂!!』

『……と叫ぶので、皆さんどしどし送って下さい!まず最初は此方、幼稚園教諭の…あ、幼稚園の先生からだ。親虎ネーム:ラッキー先生さんからです。
ウチの子はもう中学生なんだけど、小さい頃はお好み焼きがなかなか言えなくて、「おこみのやき」って言ってたんだよ。あと、ウチの子トムヤムクンが好きなんだけど、難しかったのか「とーやくん」って。お友達の事かと思っちゃった(*´艸`)』

『幼稚園の先生いうから園児の事かと思たらちゃうんや!?けどかわええから……1バイブルや!!』

『1バイブルって(笑)何そのポイント制?10バイブル貯めたら何か貰えるのかい?』

『俺オススメの健康器具を贈ります』

『健康器具……って、スタッフさんがダメって言ってるよ?』

『え〜?せやったら花の種とかならええ?』

『良いですか?…あ、毒草じゃないやつなら良いって。じゃあ10バイブルで、蔵オススメの花の種を差し上げます。お好み焼きを「おこみのやき」、トムヤムクンを「とーやくん」か。小さい子の言い間違いって、なんだかほっこりするよね』

『「おこさらまんち!」とかな!』

『もう「おこさらまんち」はいいから!可愛いのわかったから!ほら次いくよ。親虎ネーム:褐色の獣さんから。
「今日学校でトマトゼリー見たぜぃ」と言われた時は何の事かと思ったが、「トム&ジェリー」だったらしい。トムとジェリー…トマトゼリーか……この食いしん坊め!』

『「この食いしん坊め!」に可愛かった気持ちが集約されとるな。1バイブルや!』

『この子は小学1年生で、食べるの大好き!お菓子大好き!なんだってさ』

『金ちゃんもなぁ、食べるん大好きでなぁ』

『次!親虎ネーム:ドクター柳生さんから!
私の苗字は柳生といいます。お子様には発音しにくいのでしょうか?「やぐう…?やーにゅーう……やぎぅ」と一生懸命呼ぼうとしてくれたのが忘れられません。下の名前の方が呼びやすいのではとお伝えしたのですが、他の子と同じ呼び方は嫌だったらしく、今ではきちんと「やぎゅう」と呼んでくれますよ』

『ウチの金ちゃんはなぁ、「しーらーいーしぃー」って呼んでくれんで!』

『蔵〜?』

『1バイブル差し上げます〜』パチパチパチパチ

『一生懸命名前呼んでくれるのはかわいいよね。頑張ったんだね。でも、なかなか蔵がエクスタらないのは、やっぱりウチの子が一番可愛いからかな?』

『え?語ってもええの?』

『だ〜め。さて、次の親虎さんなんですが、凄い人からメールが来ました。なんと、あの幸村精市さんからです!』

『えっ幸村クン?!本物か!!?』

『スタッフさんが確認したから本人だって。じゃあ、読むよ。
ウチの子はお買い物を「おかいのも」、お片付けを「おたかづけ」って言ったり、俺が前にインフルエンザにかかった時なんか「インフルレンジャーは おれがたおす!」って俺の部屋に突入しそうになって抑えるのが大変だったらしいんだ。他にも「こっぷぽーん」とか「すたべっき」とか「ぶっころり」とか……わかるかい?何なのもう可愛過ぎ!ウチの子天使なんだけど!!
蔵と良い勝負だ…』

『んん〜〜…』

『お、出るのか?』

『ポップコーンもスパゲッティもブロッコリーもわかる!めっちゃかわええのもわかるねんけど!……3バイブルで勘弁してや幸村クン!!』

『え、これでも?いや、3バイブルは充分凄いけど…』

『ごめんなぁ。ウチの子も天使やねん』

『蔵……ん、何?電話?』

『へ?ちょお、それ俺のケータイやん』

『えっと…今、蔵のマネージャーの小石川くんがケータイを持って来てくれて、スタッフさんが出てもいいって』

『もしもし?』

《おい白石!今ラジオでウチの子自慢してるんやて?小石川に聞いたで!》

『謙也!?せや、今まさに収録中やねんけど』

《金ちゃんが可愛えのは知っとるけどなぁ!ウチの光もめっちゃ可愛えっちゅー話や!!》

『はあっ!?ちょおお前人の話聞けや!』

《ちっさい頃の光はなぁ、ポテトの事「おいも」って呼ぶねんで!マクドとか行くやろ?「けんやくん、おいも たべたい」言うてなぁ!》

『え…俺にも電話?ありがとう、亮。もしもし?』

《久しぶりやなぁ、佐伯?》

『忍足先生?!……ええ〜、以前このラジオにもゲスト出演してくれた、小説家の忍足侑士先生です。忍足先生、一体どうして…?』

《聞いたで?自分らのラジオで、優秀な子ぉを紹介しとるんやて?何で俺を呼ばんねん!!》

『ええっ!?』

《ウチのがっくんはなぁ、めっちゃ飛ぶねん!アクロバットならこどもぷりんすのえ〜じくんにも負けへんで!》

『い、いや、違うんだ忍足先生。そんなハイレベルな話じゃなくて、小さい子のちょっとした言い間違いとか、言い回しが可愛いねって話で……』

《何や、そんなんでええん?せやったらなぁ、がっくんは空飛ぶ乗り物が大好きなんやけど、ヘリコプターが上手く言えんで、よく「へりぽくたー」って言うて…》

《ポテトとソフトクリームの組み合わせが好きでなぁ!あ、一番は善哉やねんけど》

《っ…ちょおその声謙也ちゃうん!?》

《なっ!?お前はまさか、侑士!!》

《俺のがっくん自慢の邪魔すんなや!》

《何言うてんねん!今俺が光の話しとった所やろ!》

《ウチの愛らしいがっくんの話聞け!》

《ウチの光が天才なん教えたる!》

《がっくんはなぁ、いつかこどもぷりんすに出すねん!!》

《何やと?!せやったら光は紅白うたバトルや!!》

『ああ〜もうええ加減にせぇ!自分ら従兄弟同士の喧嘩なら余所でやりや!!』




―――収拾がつかなくなったので割愛されました―――




『何や…すまんかったな。俺の連れが…』

『まさか忍足先生まで参戦するなんてね……。とりあえず、最後のお便り読もうか』

『え、まだあったん?!ほなサエ、頼むわ』

『えっと、親虎ネーム:うな茶さんからです。
食事中の事だった。「美味いか?」「うん」「そうか」「ねぇ、これ なんていうの?」「金平牛蒡だ」「ちんぴらごろー?」』

『ぶっはは…っ!!んん〜っ絶頂!!』

『えっ?これ蔵を笑わせるコーナーだったのか?!』





その頃の立海さん。

「どうした精市。解せぬといった顔をしているな」

「だって俺、あんなにいっぱい書いたのに」

「ジャッジは白石の独断と偏見なのだから仕方ないだろう。うな茶……手塚もあれでお笑い番組を好むと聞くから、白石と波長が合ったのかもしれないな。笑点の大喜利のようなものだ」

「今度は俺も電話出演してやろうかな」

「やめておけ。あの二人のように打ち切られるぞ」

「やなぎさぁーん!!」

「こら!待たんか赤也!!」

「どうした赤也?」

「真田?」

「これ、あっためて!!」

「その包み、鯛焼きか?何故俺に?」

「さなださんが、れんじが あっためてくれるって ゆった!」

「ふふっ…赤也?もしかして」

「たわけ。俺が言ったのは電子レンジだ!この蓮二ではないっ」

「ええっ!!?」

「あかやが ひろしの土産ぜんぶ持ってったー!!」

「独り占めとは、えらなったのう、あかや?」

「ち、ちがうもん!おれはっ」

「そうだよ。赤也はね、蓮二にあっためてって云いに来ただけなんだ」

「ああ。早速温めて来るとしよう」

「温まったら、みんなで食べようね」

「なーんだ」

「プリッ」

「じゃあ、俺は茶を入れてくるぜ!」

「ああ、頼むよジャッカル。柳生、お土産ありがとう」

「美味しいと評判のお店だったので、帰りに買って来たのですが、此方へ着くまでの間に、少し冷めてしまいまして」

「あの老舗の餡子屋の鯛焼きか。たまらん土産だな!」

「そういえば、このみ幼稚園の忍足先生もいらしてましたよ。飲食スペースの方で、何やらたくさん御注文なさっていたようで……」

「ああ…。もしかして、光くんも居た?」

「ええ。何だか御機嫌斜めのようでした」




その頃の謙也先生。

「ほ、ほら光〜?善哉来たでー旨そうやなぁ〜!?」

「……」ぱくぱく。

「ほ、ほら、白玉抹茶パフェも来たで〜。鯛焼きも焼きたてやで〜!」

「……」もぐもぐ。

「なぁ、機嫌直してや?ちゅーか、ウチの子自慢したん俺だけやないやん?白石や侑士だって…」

「金ちゃん」

「ん?」

「がっくん」

「え、何?」

「本名出したアホはアンタだけや。しかも向こうは幼稚園児と小学生やで」

「す、すんません」

「……もうマクド行かれへん」

「ほんまごめんって!許してやほんま!!謙也くんが悪かったから!」

「善哉5個追加」

「ちょっ…それは食べ過ぎやって!」

「許さへん」

「白玉善哉5個追加お願いします〜!!」





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