立海一家シリーズ

□立海一家のちいさいお話
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【プリガムレッドが語る立海家の家事事情】



Q.誰の料理が一番美味しいですか?


「肉料理ならジャッカルかの」

「だよな!あと時々つくってくれる中華がマイウー」

「おれ、やなぎさんの ちらしずし だいすき!」

「おまえ、寿司は“かわむらすし”がいちばんって言ってただろぃ?」

「い、いったけど…おみせのと、おうちのは べつなの!」

「まぁ、和食はやなぎじゃな」

「洋食はひろし!二人におそわってから、ジャッカルのレパートリーも増えたんだよなっ」

「やぎゅうは野菜のかざり切りもうまいぜよ」

「せいくんも たまにだけど つくってくれるよ!」

「さなだが料理しとるんは見たことがないのう」

「でもさなださん、きゃべつと だいこんのせんぎり じょうずだよ。きぇぇぇぇって!」

「あ〜そういえば……大根ってあれだろぃ?さしみに付いてるやつ。あれは、せんぎりっつうかツマな。ま、将来的にはおれがいちばんうまくなる予定!」



Q.お掃除は誰がしていますか?


「ひろしが“そうじ奉行”なんだよな…」

「プリッ…自分のへやはだいたい自分たちでやっとるが、ジェントルマンチェックが入るからのう。大そうじなんか、じごくじゃ……」

「おれ、へやに どんぐり たくさん おとしてて、しかられちゃった…」

「もみじ狩りん時ひろったヤツか」

「あかや、おまえ誰かにあげるって言ってなかったっけ?」

「ようちえん おやすみになるまえに せんせぇたちに あげたよ!あとね、かおなしっ」

「は?カオナシ?」

「うん、えんちょうせんせー!キヨせんせぇが わたしといて くれるって!」

「あとは…道場のそうじじゃな。さなだがきびしくてのう」

「道場もコートも門下生が交代でやってるけど、とどかないトコとかもあるし、毎朝さなだがきれいにしてるんだよな」

「おにわは せいくんが きれいにしてるっす!」



Q.お洗濯は誰の担当?


「担当ってわけじゃないけど、だいたいジャッカル」

「やぎゅうもアイロンがけしとるぜよ」

「このまえ さなださんが ふとん ほしてたっ」

「なんじゃあかや、おねしょでもしたんか?」

「してないよ!てんきがいいから ふとんをほすぞって、さなださんが いったの!」

「そうだぜぃまさ。あかやはおねしょすると、まずやなぎに言うからな」

「わぁあああっ!もうしないってば!!」



Q.買い物には誰が行きますか?


「やなぎさんか、じゃっくん!」

「やなぎはウチの経理担当じゃき」

「ジャッカルは“おかいどく品”ってやつをよく買う」

「やなぎさんはね、“しゅん”とか“さんち”とかに、こだわるんだぜ!」

「あかや、おまん意味わかっとるんか?」

「年越しそばとか、“つきみつそば”の打ちたてのやつ買うって、わざわざならんで買いにいったんだよな」
※月光蕎麦…越知月光が経営する更科蕎麦の名店。特に年末には、年越し蕎麦を求める客で行列が出来る。店員に、元兄弟弟子の毛利寿三郎がいる。

「あれ うまかったぜよ」

「うん!“あかしろうたばとる”みながら たべたんだよね!びゃっこ みたあと ねちゃったけど……」

「おれはキミ様まで見たぜぃ」

「おれはオオトリまで」

「マジかよ!?」

「まさくん すげ〜!」

「ピヨッ」
※雅治が見たのはピアニストの鳳長太郎(King of kingdom所属)であり、大トリではありません。三人とも年を越す前に寝落ちしてしまいました。

「ゆきむらくんは、たまに行くといろんなもん“しょうどう買い”してきちゃって、さなだが怒るんだよな」

「しい太のねこグッズとかな」

「でっかいねこタワーに、ねこハウスだろぃ?あと育てるねこ草…」

「おさらも おもちゃも、こぉ〜んな いっぱい!」

「やぎゅうはよく“おとりよせ”ってヤツをやっとる」

「そうそう!やなぎがたのんだ料亭のおせちといっしょに、すげぇ数のところてんもとどいたしっ!」

「『いつもお世話になっております。こちら、おすそ分けです』ってご近所にくばっとったナリ」

「すごいすごいっ!まさくん そっくり!」

「『これにて終わりです。アデュー』……プリッ」


「お前達!何をやっている?餅搗きを始めるぞ!!」

「イエッサー!!!」

縁側の向こう、和室に面した中庭から、真田の声が轟いた。
三人はすぐに立ち上がり、其方へ移動する。

蒸しあがった餅米が、臼の中で湯気を立てていた。

「ゆくぞ、蓮二!」

「ああ、弦一郎」

袴姿で襷掛けした真田が睥睨し、杵を振りかぶった。

「餅を搗くこと 火の如く!!」

力強く搗いた餅を、同じように和服を着た柳が返す。

「さなださん すごーいっ!!」

「おれは平気なかおしてもち返しとる、やなぎの方がすごいと思うがの」

「もち早く食いてぇ〜!」

わくわくしながら見学する子ども達。
いつの間にかしい太も中庭に出て来て、真田の杵の動きに合わせ、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。

一回目の餅はあっという間に搗きあがり、幸村によって和室の座卓の上に運ばれた。

「さあ、皆。餅を丸めるよ!」

「あんこ、きなこ、砂糖醤油に大根おろし、なめこに納豆もありますよ。好きなものをつけて食べて下さいね」

「雑煮も出来たぜ!」

子ども達は座卓を囲み、早速粉まみれになりながら餅を丸める。

「よし!蓮二、次は蓬餅だ!!」

「フッ…流石は弦一郎。一度の餅搗きで疲れたりはしないな」

真田と柳は汗ひとつかかず、今度は蓬を入れて、再び餅搗きを始めた。

「あんこ おいし〜」

「きなこもうまいぜよ」

「雑煮マイウー!おれ、全しゅるい食おっ」

「食べ終わったら、皆も和服を着て、初詣に行こうか」

「イエッサーっ!!!」



立海一家、今年もよろしくお願いします。




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