□MischievousAngel
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「月乃先輩…っ!?」



俺を見た瞬間、溢れ、頬を伝い流れていく涙。

月乃先輩はそれを隠そうと俯いた。

でも、今度はくぐもった声が漏れて、俺の心臓を震わせた。

茫然と、最初は見ている事しかできなかった。

けどすぐに堪らなくなって、俺は月乃先輩に手をのばした。

「…月乃先輩」

抱き締めたかった。
でも、そんな事していいのかって戸惑い、その手を彷徨わせる。

とにかく触れたくて、月乃先輩の頭をそっと、自分の胸元に寄せた。

こんな時、どうしたらいいんだろう。
月乃先輩は何をして欲しいんだろう。

必死で考えたけどわからなくて、たぶんぎこちない動きで、月乃先輩の頭を撫でた。

「月乃先輩…」

俺は、何が出来るんだろう。

「俺、此処にいるっス」

俺は、アンタに、何をしてやれる?

「…アンタを、ひとりにはしない」

「…ッ」

泣き崩れる――ってのはこういう事をいうんだろう。

俺も泣きたくなったけど我慢した。

こんな月乃先輩見た事無い。

俺が、何とかしてやんなきゃ。



その日、俺達は、手を繋いで一緒眠った。






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