□がんばれあかやくん
1ページ/2ページ




どうしても聞きたい言葉がある。

俺は考えに考えて、月乃先輩にそれを言わせようとしていた。




「先輩先輩!月乃先輩って、雪のスポーツ何が好きっスか?」

「急にどうしたの?」

「まぁいいじゃないっスか。で、雪のスポーツといえば?」

「スノーボード」

「…そっちか」



「んー、じゃあ先輩っ、鍋といえば?やっぱり肉の入ったやつがウマいっスよね〜?」

「水炊きとか?」

「鶏肉派っスか…」



「じゃあじゃあ、牛丼で有名な店って知ってます?」

「あんまり行った事無いけど、吉○家?」

「神奈川で多いのはそっちじゃねぇのに…っ!」



「えーと…あっ!ジャッカル先輩の髪型ってかっけーっスよね!!」

「坊主頭?」

「こんな時ばっかり純日本語かよ…!!」



「じゃあこれ!見てよ月乃先輩!これなんていうんでしたっけ?」

「赤也、浮かれてるの?」

「そーじゃなくてっ!!」

「片足で2回ずつ交互にとび跳ねながら進むこと?」

「何でわざわざそんな難しいこと言うんスか!!?」

「赤也、英語苦手だから、気を遣ったんだけど」

「俺だってスキップくらいわかるし!そんな気遣いいらないっス!!」

「わかるのにどうして訊くの?」

「あ…」

墓穴を掘った。

どうすんだ俺!?

つーか変な質問ばっかして全然目的の答えが返って来ねぇし!

たった2文字なのに、どうして言ってくれないんスか月乃先輩…。


「のう香宮」

そんな時、口を挟んだのは仁王先輩だった。

「白鳥の湖の作曲家って誰やったかのう?」

「チャイコフスキー」

「あーそうじゃったそうじゃった。今度音楽のテストに出るんよ。助かったナリ」

「仁王先ぱぁぁぁぁい!!!!」

「ピヨ」




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ