也
□がんばれあかやくん
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どうしても聞きたい言葉がある。
俺は考えに考えて、月乃先輩にそれを言わせようとしていた。
「先輩先輩!月乃先輩って、雪のスポーツ何が好きっスか?」
「急にどうしたの?」
「まぁいいじゃないっスか。で、雪のスポーツといえば?」
「スノーボード」
「…そっちか」
「んー、じゃあ先輩っ、鍋といえば?やっぱり肉の入ったやつがウマいっスよね〜?」
「水炊きとか?」
「鶏肉派っスか…」
「じゃあじゃあ、牛丼で有名な店って知ってます?」
「あんまり行った事無いけど、吉○家?」
「神奈川で多いのはそっちじゃねぇのに…っ!」
「えーと…あっ!ジャッカル先輩の髪型ってかっけーっスよね!!」
「坊主頭?」
「こんな時ばっかり純日本語かよ…!!」
「じゃあこれ!見てよ月乃先輩!これなんていうんでしたっけ?」
「赤也、浮かれてるの?」
「そーじゃなくてっ!!」
「片足で2回ずつ交互にとび跳ねながら進むこと?」
「何でわざわざそんな難しいこと言うんスか!!?」
「赤也、英語苦手だから、気を遣ったんだけど」
「俺だってスキップくらいわかるし!そんな気遣いいらないっス!!」
「わかるのにどうして訊くの?」
「あ…」
墓穴を掘った。
どうすんだ俺!?
つーか変な質問ばっかして全然目的の答えが返って来ねぇし!
たった2文字なのに、どうして言ってくれないんスか月乃先輩…。
「のう香宮」
そんな時、口を挟んだのは仁王先輩だった。
「白鳥の湖の作曲家って誰やったかのう?」
「チャイコフスキー」
「あーそうじゃったそうじゃった。今度音楽のテストに出るんよ。助かったナリ」
「仁王先ぱぁぁぁぁい!!!!」
「ピヨ」