也
□ビギナーズラック
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「おっし!10人目ぇ!まだまだいくぜっ!!」
放課後、俺は丸井先輩とジャッカル先輩と、ゲーセンに来ていた。
今日は月乃先輩も一緒で、俺はイイトコ見せようと張り切って格ゲーの台に座り、今、10人目の挑戦者をぶっ倒したところだ。
「あっという間に10連勝か。赤也のヤツ、流石だな」
「調子良すぎだぜぃ」
後ろで、ジャッカル先輩や丸井先輩が話す声がした。
俺は気分が良くなり、振り返って月乃先輩を見た。
「次は20連勝目指すっス!見てて下さいねっ月乃先輩!」
そんな俺に、月乃先輩は柔らかく微笑んだ。
「っしゃあ!潰すぜ!」
更にやる気になった俺は、台に向き直り、ゲームの開始と共に、舌なめずりをした。
そして、20連勝、30連勝とした頃…。
「なんかもー俺飽きた」
そんな丸井先輩の声が聞こえたが、俺は気にしなかった。
「オイ赤也、そろそろ…」
「ハァ!?何言ってんスかっ!これからっしょ!?」
止めようとしているジャッカル先輩の言葉も聞かず、俺は熱中していた。
もう何人倒したか覚えてねぇや。
次のヤツも…潰してやるぜ!
「…ったく、おい香宮ー、コイツ何とかしろよ」
「そうね…もう時間も遅いし、いい加減にやめさせないと…。丸井くん、これってどうやるの?」
「え…?どうって?」
「香宮、お前まさか…」
後ろで先輩達がなんか喋ってたけど、俺は今闘ってるヤツを倒すのに夢中だった。
「へへっ!また俺の勝ち!!」
すると、すぐに新しい挑戦者が現れた。
「んだよ…懲りないねぇ」
その挑戦者の名は、『ブンブン』と表示されていた。
「あ?これ丸井先輩じゃん」
なるほど。俺の連勝を止める為に、自ら挑戦してきたってワケね。
でも…アンタにゃ負けねぇ!!