□きっとこれからも言い続けるコト
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「先輩っ!待って下さいよ。送っていきますってばっ…月乃先輩!」

部活の帰り道、すたすたと歩く月乃先輩の後を追い掛け、小走りに駆け寄る。

夕日が眩しい。

月乃先輩は俺が追い付く前に、ふと、足を止めた。

「月乃先輩?」

「…きれいね」

空が赤く染まり始めていた。

立ち尽くしている先輩に、ゆっくりと近付く。

隣に立ち、その顔を覗き込むと、月乃先輩の表情は何処か、淋しげだった。

「月乃先輩…?」

俺が呼びかけると、月乃先輩はすぐにいつもの月乃先輩に戻り、何でも無いと言わんばかりにまた歩きだした。

赤く彩られた空と光が、月乃先輩を包み込む。



行っちまう…――



何故か、月乃先輩が消えていくような錯覚に陥った。

俺は思いきり腕をのばし、月乃先輩を捕まえた。

月乃先輩の身体を引き寄せ、離れていかないよう腕の中に押さえ込む。

「赤也…?」

意外にも、そんな状況で月乃先輩は落ち着いた声を出した。



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