□問題児
1ページ/4ページ




「…赤也?」

「げ…っ」

思わずそんな声を発してしまった事を、俺は後悔した。


月乃先輩は、怪訝な顔で俺に近付く。

俺はささやかな抵抗として、月乃先輩に背を向けた。

結局、意味は無かったけど。

「その怪我、どうしたの…?」

「な、何でもないっスよ…!ちょっと転んだだけっス!」

「それなら、どうして保健室に行くか、私の所に来ないの?」

「たいした事な…痛っ」

腫れた頬に、月乃先輩の手が触れる。

「手当てするから、部室に来なさい」

「…はい…」

やっぱり、月乃先輩に逆らう事なんて出来なくて、俺は部室に付いて行った。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ