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□練習台2
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「アスハさん、また明日。」
「ごきげんよう、アスハさん」


父が私を女子校に入れた理由。
それはこのおしとやかさと奥ゆかしさを身につけるためだ。

私はそう思っていた。
本当はキラやアスラン達の通う同じ学校に通いたかった。


そんなこと今さら言っても仕方ないことなのだが…。



今日は掃除当番でもなく、テスト前で部活もない。
まっすぐ家に帰ろうと教室を出た。


お嬢様学校として名高い学校は時として、男勝りな性格のカガリをうんざりさせる。

その日も、女の子特有のきらびやかな、甲高い声が響いていた。


頬を赤くしながら浮かれる人達の波をくぐるように校門から出た時だった。


グイッと腕を掴まれた。

「何?!」

振り返るとそこには、無駄に目立つ二人が立っていた。

「アスラン…キラ…」
「遅いよ、カガリ。」

「女子校の前はダメだな。落ち着かない。」
「はあ!?」



何が何だかわからなかった。
しかし、久しぶりに見る愛しくも憎らしい顔に私の体が熱くなってきているのを感じた。


「カガリ・ユラ・アスハ、こちらへ」

「先生…」

シンといつの間にか静まりかえっていた。
みな下を向き、こちらに向かってくる人のために道を開けた。


「カガリ・ユラ・アスハ、わかっていますね?」
「はい…ナタル先生」
「では、こちらへ」

ナタル先生はキラとアスランに冷ややかな軽蔑の目を向けた。
「早くここから立ち去りなさい。あなた達のような人達が来るようなところではありません。プラント学園の生徒がそんなこともわからないのですか?」

「カガリは僕の妹です」
キラは言い返した。

「それがなんです?早く立ち去りなさい、」
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