Short Stories
□羽根
1ページ/12ページ
好きなら好きと告白しよう。
それが私の基本姿勢。
なのに…私はなぜかそれが出来ない状況になってしまった。
私と彼は私が彼で、彼が私になってしまったから…。
ただ遠くで見ていた私にとって、なぜこんなことになったのか…
だけど目の前にいるのは、確かに私で。
私の手はあきらかに男の手で、そしていつも見なれている紺の制服を着ている。
「えーっと…」
声も明らかに違う。
低い男の声だ。
「俺?」
私の手が私の顔に触れた。
「どうして?」
目を見開く私の顔が私の目の前にあった。