Another Stories

□憧れ
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めちゃくちゃにしたい衝動を抑えるには…

行動を起こすしかないのかもしれないと、言ったのは俺かお前か…
どちらにしろ俺には関係ない。


「シン・アスカ。なんだこの作文は。」
「読書感想文でーす」

まだ蝉が鳴いている暑い暑い新学期だった。

「高校生になってこの作文はないだろ…本の題名もないじゃないか。」
「本は俺という人生。」
「バーカ。なら感想文じゃないだろ。」

国語が初日の教科ってのか納得いかねぇ…

「全く…」
アスハ先生は暑さゆえに髪をあげていた。
キレイなうなじが見える。

「夏休みは一瞬で目に見えなかったんですよ」
「意味がわからん。」
と、アスハは一冊の本で頭を小突いた。

「いてぇ…」
「この本は読みやすいからこれで書いてこい」
「えーっ!!」
「えーじゃない。」

アスハは立ち上がった時、パソコンのコードに足が引っかかり俺の方へ体を傾けた。

「わっ!」
アスハを間一髪で腕を回し倒れるのを阻止した。

アスハの髪が俺を惑わす。

「わ、悪い…アスカ…」
意外に細い腕と華奢な指が俺の腕を持った。
「アスハ…」
「えっ…」

いつの間にか、俺は先生を抱きしめていた。

「な…何するんだ!?アスカ!!」
動揺を隠せないアスハが俺から離れようと力を入れた。
「黙って…」


アスハが担任の先生になってから、俺はアスハに恋焦がれた。
小学校から一貫教育のこの学校。
中3の時に初めて教壇に立ったアスハに惹かれ始めてもう3年を迎えていた。


「んんっ…」
チャンスが飛び込んできた。
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