復活

□しらゆきひめ
1ページ/2ページ

あるところに、皆から白雪姫と呼ばれ親しまれている女の子がいました。
白雪姫は、黒炭のように黒く艶やかな髪、雪のように白い肌、やたら鋭い切れ長の瞳を持ったカワイコちゃんでしたが、何故かドレスの上から学ランを羽織り、リーゼント頭のお兄さん達を従えていました。白雪姫は一国の姫であると同時に並盛国の風紀を守る風紀委員長でもあったのです。



「大変です白雪姫!!」

「白雪姫じゃなくて委員長って呼べって言ってるでしょ、噛み殺すよ?」

「はっ、…しかし今は白雪………いいえ、何でもありません、委員長」


白雪姫の従者であるリーゼント頭のお兄さんは、白雪姫の眉が不機嫌に歪められたのを見て言葉を引っ込めました。


「わかれば良いんだよ。ところで何が大変なの?」

「はい、実は先程、ディ…女王陛下の部屋の前を通りかかったのですが…」











「鏡よ、鏡、鏡さん、この世で1番美しいのはだぁれ?」

「それは森に住む可憐な小人、山本武です。間違っても、いい年して鏡に話しかけるナルシストなおじさんや、凶暴で横暴な白雪姫ではありません」

「俺だって好きで話しかけてるんじゃねぇよ!!…つーか、山本が小人役なのか?」

「何か問題でも?」

「いや…どっちかっつーとあいつ大きくねぇ?」

「僕や貴方よりは小さいでしょう?問題ありません。」

「そ、そうか…?」

「そうです。それより白雪姫の暗殺はいつにしましょう?」

「オイオイ、何物騒なこと言ってんだよ!!?」

「台本通りにいけば、白雪姫は、この後小人の家へ行って一緒に暮らすみたいじゃないですか!!白雪姫のことです…「噛み殺す」とか言って小人にあんなことやこんなことをするに決まっています!!これは絶対阻止しなければっ!!」

「……でも女王が白雪姫を暗殺しようと企んだから、白雪姫は城を出て森の小人の家で暮らすはめになったんだろう?」

「馬鹿ですね貴方は。それは暗殺が失敗したからです。確実に息の根をとめればそんなことは起こりませんよ。クフフ…クハハハ!!」

「ちょっ、お前怖っ!!」













「…というわけなんです。」

「ふーん。誰が来るか知らないけど噛み殺す楽しみが増えたな」


心配そうなリーゼント頭のお兄さんをよそに、白雪姫はにやりと笑いました。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ