復活
□おにたいじ
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あるところに、とっても小さなおじいさんとおばあさんが住んでいました。
「ガッハッハ!!この大きな桃はランボさんが拾ってきたんだもんねー!!リボーンにはあげないもんねー!!」
おばあさんはいったいどこから拾ってきたのか、大きな桃をおじいさんに見せびらかしていましたが、分けてあげる気は一切ないようです。
おじいさんは、おばあさんがあまりにうざかったので、銃弾で桃を真っ二つに割りました。
「ランボさんの桃が…!!よくもやったな!!ちねぇ!!リボーン!!」
「死ぬのはてめーだ」
おばあさんが小型爆弾を投げるより先に、おじいさんは自分の身長の数倍はあるロケットランチャーを取り出し、おばあさんめがけて一発放ちました。
「ぐぴゃあっ!!」という叫び声とともにおばあさんは家の壁を突き破って、お空のお星様になってしまいました。
桃から生まれたばかりの男の子の顔は真っ青でした。
「ちゃおっす、ツナ」
「ちゃおっすじゃないよ!!いきなり厳ついオジサン集団に囲まれたと思ったら、身ぐるみ剥がされて、気がついたら桃の中ってどういうことだよ!!体中汁でべとべとだよ!!」
男の子は、パンツ一枚で泣いて言いました。
「マフィアに危険はつきものだからな。お前は油断し過ぎだぞ」
「だからって何で桃!?」
おじいさんは必死で訴える男の子をさらに追い込むようなことを言いました。
「お前は桃から生まれたから桃太郎だぞ。鬼ヶ島(黒曜)へ鬼(骸)退治に行ってこい」
「はぁっ!!?無理無理絶対無理!!何でよりによって骸!?」
「実は昨日、山本が家に来て、新商品だと言って俺にパイナップル寿司を食わせる夢を見たからだ。あれは最高にまずかったぞ」
「夢の話!?そんなのにいちいち付き合ってられ」
反論しようとした男の子の頬を「キュイン」という音とともに銃弾が掠めていきました。
「……」
「ここで俺に殺されるのと、骸を倒しにいくの、どっちが良い?選べ」
おじいさんは再び男の子へ銃を構えました。
どっちも最悪だ…
男の子は心底そう思いました。
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