草紙(長)

□天馬の嘶きは天に響く―肆―
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『ようこそ、贄の娘よ』




門の向こう側に立っていた妖は、口元に満面の笑みを乗せて少女を出迎える。




『晴明、彰子姫がいないわ!』




少女の不在を、血相を変えて部屋へと飛び込んできた幼き神将が告げた。




『我が主の言伝をお持ちしました』




少女を返して欲しくば・・・・と、その手は静かに東方に位置する山を指し示した。




『大文字山、か・・・・・・・』




そこが、決戦の地―――――――――。





 
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