草紙(長)

□天馬の嘶きは天<そら>に響く―壱―
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黒水晶みたいにきれいよ。






他の者達とは違う己の黒の毛並みを見て、幼く無垢な少女はそう言った。






だよなぁ。






少女の言葉に笑みを浮かべながら相槌を打つ、己にとって友とも呼べる男。






そして―――






他の誰もが嫌ったとしても、俺はずっと好きだからね。






そう言って温かな笑みを己へと向けてくる、弟にも似た存在の少年。






何もかもが皆、泣きたくなるほどに大事な思い出だった―――――――。









 
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