草紙(短)

□古鏡は楓の木下で眠る
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紅く色づいた葉を一枚摘み取り彼女は呟いた。



もし、自分が眠るなら楓の木の下がいいと。



彼女は楓の木を大層気に入っていた。



だからなのだろうそう言ったのは。



更に彼女は続けてこう言った。



けど、一人で眠るのは寂しいからお前も共に連れて行きたいと。



自分は思った。



彼女が寂しい思いをしないのならばそれでいいと。







 
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