雲雀連載
□プロローグ
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まるで孤高の肉食動物だ、
孤高と云う言葉を良く耳にした。僕を畏怖の眼差しで見る生徒から、外見だけ大人になったような先生達から、そして僕自身其れは全く以て素晴らしい事だと考えて居た。唯、あのこだけは少し哀しそうな顔をしたのを今も、覚えて居る。
なに、君は僕が孤高の存在だと云われるのが気に食わないの。
然う睨めつけるように云った僕に、彼女は何と返しただろうか。真の孤独を知る彼女は、何と。雲雀さん、私は。瞑った目の奥で彼女の唇が動く。
其処で、僕の思考を遮断するように、携帯が鳴った。
「ー・・・もしもし、」
20080323