Story(short)
□「clear cloud〜晴雲〜」
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――…お前の暗雲は晴れる筈もなくて。
「…アレ…ン…」
アレンの前に立ち込めている暗雲…ソレは謎の病だった…。
二年前からずっと眠ったまま目覚めない…。
「…な…んで…何でさ…アレン…」
二年も立ってしまった今はただただ涙を流すことしか出来なくて…。
何の意味も持たないと言うのに……。
「オレに…何が出来るさ…?」
何も無い……―。オレには何の力も無い。
アレン……お前が…お前だけがオレの生きる希望だった…。なのに……。
忽ち立ち込める雲は一層厚く暗くなるばかり。
生きる希望をなくした一つの灯はその雲に覆われようとしていた…。
その時………―――
たった一つの光が見えた…。
けして消える事のない光。眩しい位輝いていた……。
「…え…」
ほんの僅かだが確かに目の前の雲が晴れた気がした……。
「…大丈夫だ…オレが居る…ずっと側に…」
そうだ……オレは一人じゃない…一人ぼっちじゃないんだ……。
二人ならきっと……この雲も晴らす事が出来るから……待っていて欲しいさ……。