Story(long)〜連載モノ〜
□「破滅の世界」‐一話
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アイツの記憶も辛いことも全部…全部消え去る事が出来たらどれだけ楽だろう…。
「…だけど俺はナナリーを守りたい!!ナナリーが幸せで暮らせる世界を作りたいんだ!!!」
その言葉は昔からずっと無条件に誓ってきた事。
ナナリーが幸せなら俺はそれでいい。それだけで良かったんだ…。
「……っ」
拭っても拭っても溢れ出した涙は止まらなくて…。
…どこかで選択を間違えたのだろうか…?
「…スザク……」
スザクとの過去の思い出が走馬灯のように頭の中で駆け巡る。
「……スザクは……敵……??……あの時のスザクはもう居ない……俺はナナリーを守るんだ……」
自分に言い聞かすように心に誓う。
何の躊躇いも無く人を撃つことが出来たら…どれだけ楽だろう…。
“…行きますよ…俺は…修羅の道を…”
あの言葉は嘘だったのだろうか…いざ人を撃とうと銃を持てば手が震えて足がすくむ、こんな俺がスザクを撃てるのか……??
「…あれ、ルルーシュ…さん?」
ふと気が付けば辺りはもう真っ暗で人通りの少ない公園でただ一人立ちすくんでいた…。
目の前には俺の記憶を無くさしたシャーリーが様子を伺うようにこっちを見つめていた…。
“全部俺の…オレノセイナンダ…”
どうしたら許される…? スザクが言っていた…『自分の願望を満たす為には何か犠牲が必要だ』と…。
どれだけ俺は罪を犯せば良い…?
「…もう疲れたよ…俺…」
「えっ??」
何を言っているのかという顔でこちらを見ていた。
「…ゴメン……」
今の俺にはそれしか言う言葉が無かった…もちろんこんな謝罪の言葉くらいでは許されはしないけれど…今はこれしか出来ないから…。
「…ゴメン……」