Story(long)〜連載モノ〜

□「破滅の世界」‐第零話
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「…ブリタニアは俺がぶっ壊す!!!」
幼い頃君は僕にそう言ったよね…その言葉を本当に君が実行しているだなんて思いもしなかったんだ…。


君のやっていることは本当に正しいのかな……?
僕はそうは思わない…自分の欲望を満たす為には必ず何か犠牲が必要なのだから…。そのことをちゃんと君は理解している??
人は独りでは生きていけないんだよ…?


「お前もこっちに来い!!!スザク!!」
「イヤだ!!僕はみんな守りたいんだ!!一つなんて決められない!決める必要があるとも思わない!!」

「スザク!!何故お前には分からない!!」

「分かってないのは君だよ、ルルーシュ!!」

「…バカだ…お前はバカだっ!!」
「…ルル…」

気付いたら目の前のルルーシュが瞳から涙を流していた…

「…本当に正しいことなんて誰にも分からないのかもしれない…だけど僕達人間には希望や願望がある。それは皆同じなんだ…それを無条件で奪うことなんて僕達は許されないんだよ…」
「…スザク……でも俺は…。俺はナナリーを守りたい!!ナナリーが幸せに暮らせる世界を作りたいんだ!!」

「…ルル…君とは分かりあえないんだね…分かった、次会った時は僕も君も敵同士だ…手加減はしない、本気で君を撃ちにかかるよ」

「あぁ…スザク…」
「早く涙拭けよ、ほら」
ハンカチをルルーシュに渡して僕はその場を立ち去った。今は君に触れることも慰めることも僕には出来ないから……。


今の僕達にはリスクが高すぎて、無理な事なのかもしれない。でもそれをやり遂げなければ僕達の望む未来はない。人は己れの欲望を満たすためなら悪にだってなれるんだ…。

「…今度会ったら敵同士…か……」
自分が言った言葉の重さを今になって気付かされる。
その言葉は誰も願わない、最も僕とルルーシュにとっては最悪な事態の幕開けとなる……。

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