マイヤの託宣
□思いはいつまでも…
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小さい頃は…
なりたいものが沢山あった
その夢を忘れた時…
人は大人になったと嘆くのだろう…。
【思いはいつまでも】
━━━夢って…わすれたくないよね
セベクスキャンダルから三年後……。
エリーはモデルの仕事をしながら、ふとその言葉を思い出した。
自分の夢がかなったというのに、彼女は笑い方がぎこちないとカメラマンに言われる。
それが、ストレスからなのか、何からなのか……彼女自身わからずにいる。
「んー、エリーちゃん…今日はあがっていいよ」
「Thank you。………それではお先に失礼させていただきますわ…」
仕事終わりに、携帯を確認する。
着信のない携帯。
この仕事をし始めた頃…。
その頃はよく、着信が残っていた。
好きな人も、仲間だった……いや大切な友人も。
それぞれの生活があるから、なかなか会えはしないが……いささか、あの日が遠くなってしまった気がした。