水菓子たち
□遠く、とおく【後編】
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「……あぁ〜ん?!同盟だぁ?」
それは昨年の秋の終わり。
最後にアイツと逢った日だった。
なんの嫌がらせか知らねぇが、その日は昼間っから雪がちらついていた。
奥州の初雪だったそうだ。
長い、ながい冬の幕が上がる。
縁側から見渡す広い庭にはわたぼこりみたいにふわふわと雪が舞う。これからこれが俺たちを遮る壁になるのだということが俺には信じられなかった。
それでも、これから暫く逢えないということを意識させられた俺は、こんな日に政の話をするコイツに対して内心苛立ちを感じていた。