《緑の座のオズ》
□『第1章:東の国と魔女の娘』
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『第1章:東の国と魔女の娘』
[魔女の養女]−[1]
おそろしいひがしのまじょさまが、おなくなりになられました。
ひがしのくに《いぇんふりゅーる》のひとびとは、おおよろこびです。
もちろん、ぼくたち《うぃんくる》もおおよろこびです。
ひがしのまじょのおしろには、きたのよきまじょさまがこられました。
ひがしのまじょさまのいない“くうはく”をおぎなうためだというおはなしです。
むずかしいはなしは、ぼくにはわかりません。
でも、“どろしー”さんは、なんだかとってもかなしそうです。
“どろしー”さんは、とてもよいひとです。
ちょっといじっぱりで、すなおじゃないけど、いいひとです。
きいたおはなしでは、“どろしー”さんが、ひがしのまじょさまをやっつけたそうです。
“どろしー”さんは、ひがしのまじょさまのようじょなのだそうです。
でも、ひがしのまじょさまが、わるいまじょだとしらなかったそうです。
ひがしのまじょさまが、このひがしのくにのひとびとをくるしめているとしって、“どろしー”さんは、まじょさまにこうぎしたそうです。
へいこうせんのいいあいのあと、ひがしのまじょさまは、たかいとうからあしをすべらせて、おちて、しにました。
だから、“どろしー”さんが、ひがしのまじょをたおしたということです。
なんで、そういうことになったのか、ぼくにはよくわかりません。
めでたいことだと、みんながいうから、そうなのでしょう。
でも、“どろしー”さんは、えがおじゃありません。
それが、ぼくにはかなしいです。
ひがしのまじょさまがなくなって、すうじつすぎたころ、ぼくはもりにおちるみどりのきれいなひかりをみつけました。
それは、とてもきれいなみどりのかがやきをしていました。
ぼくは、“どろしー”さんによろこんでもらおうと、そのきれいなみどりのひかりをさがしにいくことにしました。
そのひかりは、うわさにきく“えめらるど・してぃ”の“りょくこうせき”かもしれません。
きっと、そうなら、“どろしー”さんもよろこんでくれるはずです。
ぼくは、おおいそぎで、おちてきたみどりのひかりをおって、もりのなかへとはいっていきました。