遠い日の記憶(長編)

□運命への扉
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と言うことは池田屋では殺しあいをするだろう長州と新選組はお互いに死者がでるであろう。
(は〜私の仕事が増える)
そう。
私の仕事は人々の願いを聞く以外で、霊を慰めるのもある。
(夜に出直すか…本来の姿のほうが動きやすいしな)
そう考えると、一度神社に帰ったのだ。


このことが
 運命を揺るがすとは
  欠片も知らずに……




私は夜、神社を抜け出すと池田屋の方へと向かっていった。

そこでは既に人々の斬りあいが始まっていた。
人々の叫び声が聴こえる。
そんな音を聞きながら頭では考え事をしていた。
今回は本来の姿、つまりキツネの姿で来たのだ。
動物である限りは捕まらないしバレない。
そう考え、店の中にいる霊達を慰めてはあの世に送り続けていた。
その間に斬りあいが終わるのを待っていた。
そして斬りあいが終わった頃を見計らって、店の外へと出ると、そこには彼がいた。
あの化け物…つまり紛いものを消そうとしたときに私のことを見つめてきた彼が。
新選組が帰っていき、彼も帰るだろうと走って逃げようとすると、彼に首根っこを掴まれた。
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