あの日あの頃(長編)

□出会い
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6月5日。
私は血の匂いで目が覚めた。
(この匂いは…池田屋…から?)
そうきずいてからの私の行動は早かった。
血の匂いのするほうに走っていく。
するとそこには浅葱色の羽織りを着た男達がいた。
(これは……新撰組!?)
しばらく見ていると、二階に鬼の気配がしていることが分かった。
…それも3つ。
私はとりあえず新撰組に見つからないようにジャンプをして二階の窓に立つと、そこには新撰組一番隊組長沖田総司とそれを庇う目的の女……雪村千鶴と西国の鬼の頭領、風間千景がいる。
すると、全員がこちらを見た。
「ほぅ……貴様は」
何やら意味深げな風間を無視した。
私は風間を一瞥してから沖田総司と雪村千鶴の前に立った。
「この方達に手出しはさせないよ」
そう言うと風間は顔をしかめてこちらに話しかけてきた。
「お前がそのような人間を守る必要がなかろう」
「ふん…そんなのあんたのほうでしょうが、風間」
「貴様には関係無かろう」
「私は雪村様を守るよう綱道に言われたからいるのだ…本家の血を絶やさぬために…ね」
「!!…なるほど…な…では失礼する」
そう言うと風間は外にいた天霧と共に帰っていった。
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