桜歌(長編)完結
□桜の気付き
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「あぁ、でも何か彼女はあるんじゃないかぃ?昔と雰囲気が違うかったよ」
「薫はまた何か抱え込んでるってことか」
「そう言うこと…だろうねぇ」
しばらく沈黙が続いた後、最初に口を開いたのは源さんだった。
「…土方君…君は彼女がどう変わろうと…愛せるのかぃ?」
その言葉に少し違和感を感じたが、何もないだろうと判断した。
「薫がどう変わろうと薫は薫だ」
その俺の返事を聞くと、何かに安心したかのように源さんの声は柔らかくなった。
「……では…また何かあったら連絡をするよ」
「あぁ」
源さんと薫との間に何があったかは分からない。
だがきっとまだ整理がついていないんだろう。
俺には薫の行方は分からねぇが、きっと探し出してみせる。
薫side
夜
源さんから連絡があった。
内容はあの人のことだったけれど、直接的なのではなく、彼との会話だった。
勘のいい彼のことだ。