桜歌(長編)完結

□桜の恐怖
2ページ/3ページ



家に帰ると、急いで課題を終わらせる。
何故ここまで課題にこだわるかには理由がある。
あまり忘れ物や校則違反が目立つと生徒指導室に呼ばれるから。
なんせあそこには土方がいる。
と言うことは出会うのはまずい。
すごくまずいのだ。
今日は迎えが来るのは駅。
それまで会わないようにしなければならない。
ゆっくりと桜並木を歩いていく。
風が吹くたびに桜の花びらが舞い散る。





その頃土方は
一人電車に揺られていた。
今日は飲み会の約束があり、車に乗れないからだ。
そして飲み会も早めに切り上げ、帰宅している。
駅に降り、何故か行かなければならないと感じ、桜並木近くを通ったとき、不意に感じたことのある気配を感じた。
後ろを振り返ると、ここから離れたところに少し高めのヒールをはき、綺麗なパーティードレスに身を包んだ女の子がいたのだ。
何故かその女の子を追いかけなくてはならないと感じた。
そう考えると酔いも一気に醒める。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ