遠い日の記憶(長編)

□思惑
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禁門の変から、もう何ヵ月か経った。
その間に新選組に風間が行ったりしていたようだ。
だがその頃の私は長州の不知火と交流していた。
それはとある皇子に頼まれてのこと。
長州の内情を探れ、と。
ちらほら見え出した内線の火花。
それに密かに舌打ちして、長州の町をぶらぶらと歩いていた。
その時、ふと目に入った男。
背丈のわりに長い刀を持ち、小柄な男だ。

「………高杉?」

つい、ぼそりと溢れたその名前。
それは不知火の親友だという人間。
その男はこちらに振り向くと、にこりと微笑んだ。

「俺を知ってるのか?お嬢さん」





その頃
新選組にとある男が入隊してきた。
それも大人数引き連れて来て。

その男の名は
伊東甲子太郎

彼が入ったことによって変わる流れ。
それがいい流れか。
それとも
破滅への道のりか。





ようやく京都に戻ってきた。
極秘で渡さなくてはいけない資料を片手に。
逃げ遅れた長州の人間は大抵捕まったそうだ。










 
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