さようならと……(長編)

□夢と現実
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目の前に広がった光景は






地獄絵図だった……






「なんだ……こりゃ……」

目の前に広がった光景は、この世の物と思われない状態だった。
白髪の男がもう死んでいる人間だった物体を突き刺している。
それは人間とは思えない。
突き刺されている物体は、もはや血と肉のみになっている。
そこらじゅうに肉片が散らばっているのだ。
辺りには濃い血の臭い。
あまりの状態に目を疑いたくなる。
いくら多少の現場に居合わせても、こんな光景はない。
チラリと横を見ると、慣れていない新八が手を口に当て、気分が悪そうだ。
その時、カタリという音が響いた。
その音の方向を見ると、そこには一人の女の子がいた。
男装をしているのか。
そう気づくのに然程時間はかからなかった。
死体を突き刺していた男、いや、あれはもはや化け物としか言えない異形の男は、ギロリと目を動かし女の子を見た。
まるで新しい獲物を見つけたかのような目をして。
咄嗟に身体が動いた。
化け物と女の子の間に立つと、化け物の刀を受け止め、後ろにいた総悟に合図を出す。







 
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