さようならと……(長編)
□非日常と違い
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目が覚めると
違う場所にいた…
「うっ……」
頭に鋭い痛みを感じ、起き上がると驚いた。
「……ここはどこだ?」
目に入ったのは一昔前の建物に月、そしてターミナルすら無い光景だ。
ターミナルがない。
それは自分が今いる場所が江戸でないということ。
土方はここまでの経緯を思い出していた。
(…確か…攘夷浪士どものアジトに潜入して、そしたら攘夷浪士どもがタイムマシンらしき機械を使って光に包まれて…)
そこまで思い出すとあることが思い立った。
それはあの時の状況だ。
あの時、光に包まれる少し前に声をかけた。
なら自分と同じように、逃げ遅れた人もいるはず。
そう思い、辺りを見渡すと見覚えのある人物が。
つい数時間前まで一緒だった総悟と山崎、万事屋の連中がいた。
「おい!」
さすがに夜中とは言え、大通りのど真ん中で寝るのは問題がある。
一番寝起きの良さそうな山崎を起こすのが最適だと揺さぶっていると、目を擦りながら起き上がってきた。