桜歌2

□表と裏と桜
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………私は






かごの中の鳥






自由を知らない






寂しい寂しい祈りを紡ぐ






それはまだ子供の頃。
と言っても前世の頃だから150年くらい前。
如月の家に生まれてから15年がたった頃の話。
お家存続の為に子供を生むのが義務。
さらにお家を大きくするために、政略結婚をしていた。
当時はまだ子供だったこともあるが、よく分かっていなかった。
この家では結婚をする前に、必ず一度は契りを交わさないといけない。
そこに同意など必要としない。
だからくくりつけてでも行った。
今考えればあまりにも残酷なことだ。
そのことに、当時私は恐怖した。
痛かった、怖かった。
私はその結婚相手が怖くなっていた。
そして、親が先方と話している間に逃げたのだ。
逃げたのはいいが、行くところがない。
そんなとき、私を拾ってくれたのが千姫だった。
まぁ一応私も純血の鬼。
だけれど千姫は帰そうとせず、側にいさせてくれた。






 

 
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